全ては決まっていたこと
「なんでも百年に一度の逸材らしいな」
噂の数々を思い出そうと
思考の海に沈みかけていた意識が部下の一言で一気に浮上する
「その逸材が貴女に決闘を申し込んできたのはご存知ですよね?」
「はぁ…?知らないぞそんな事」
「まぁ…俺が言わなかったんから無理もないですね
何でも、滅多に表立って活動していない騎士団長とは本当に強いか確かめてやる、飾りだけの騎士団長なら自分が奪ってやる
だそうです。」
「ヴァイツ!!
何故もっと早く言わなかった!?
嫡子が力を見せ付けるつもりなら今日の歓迎会しかないだろう!!」
「だってギリギリに言わなければ貴女は決闘を何が何でも破棄しようとするでしょう?
逆にギリギリに言われれば受けざるを得ない。でしょう?
貴女は義理堅い人だ。
断れるはずが無い
まぁそこがアルのいいところなんですけどね」
そう言って副騎士団長は笑った
「解った…行くよ…
だが!!言っておくが私が歓迎会に出席するのは今回限りだぞ!!」
「ハイハイ。解りましたよ」
(この人は本当に面白い)
だから傍に居たいと常に思う
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