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帝白物語 第1章
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精市と別れて部屋に戻ると看護婦さんがタイミングよくお昼を置いているところだった。

「あ…ありがとうございます!」


「いいえ」


看護婦さんは私を見るとツンッとした態度でさくさくと部屋をでていった。


「…?」


私何かしたぁ!?

お礼したかっただけなんだけど。



看護婦さんの視線は何か…そう!お邪魔虫を見るような目だったよ。



まぁ、どうせあと2、3週間でいなくなるんだからいーや!



そう、まさに開き直ってまだ温まっているご飯を口にしようと思った時だった。




「…一人じゃ寂しい」



そう思った私はお昼を持って精市の元へ行こうと早速準備を部屋を出て精市の病室の扉を開けようと思った時だった。



「幸村くん…いつもの…やって?」


…ん?

…はい?


「や…幸村く…んっ」

「看護婦さ…ん」

ってうおぉーい!!

この妖しい声は…まさか!

一応私も思春期に入っているのでこの声から何をしているかは想像が着く。





ここ病院だよ!?


しかも夜じゃないし!


…真昼間からヤるなよ!!

「あっ…そこ…い」

「…ここですか?」


精市も甘ぁいボイスしてじゃないわよ!!


完璧に……萎えた。


こんなん見たり聞いたりしてんだったら一人で食べた方がよっぽどマシ。


私は部屋に戻ろう足を切り替えした時だった。




―カシャン―




「!!」


箸が落ちた。


箸は空気も読まずコロコロ〜と頃がってついにはドアの前でピタリと止まった。



……真面目に有り得ない



私も萎えたけど今お熱い二人をもっと萎えさせたじゃん。


バレているだろうとは思いつつも最後の悪あがきで箸をこっそり拾って自分の部屋で大人しく一人のご飯をしようと思っていた。


なのにそれはある人物によって邪魔をされた。


―ガラッ―


「あ…。」


私の箸をジャストミートに踏んでいる足。


これにはさすがにプッチーンと頭の中の何かが切れた。

「あのねぇ…っ!」

「…は?」

「いい加減にしてよね!!確かに箸を落とした私も悪いけど食べ物を掴む物を踏むとかほんと考えらんない!しかも真っ昼間からヤってんじゃないわよ!!」



思いっきり怒鳴って箸を踏んでいる主を私なりの鋭い目つきで睨んだ。



「…貴方…」


箸を踏んでいた主とは…先程私にお昼を届けてくれてそして、お邪魔虫的な目線を送っていた看護婦さんだった。



あちらも何か言いたそうにしているが私の気迫に何にも言えずに顔が強張っていた。

そんなに怖いですか?

ある意味傷つくけど…

それほど最低なことしたって気付いてほしい。


看護婦さん、貴方の方がよっぽどお邪魔虫ですから!!




さっきのやり返しを思う存分して。



看護婦さんは慌てて精市の部屋から走ってでていった。




それも私のとすれ違う時に「チッ」と舌打ちをしていたのを私は聞き逃さなかった。



本当っあの看護婦だけは許せない!


あの人看護婦なんだよね!?


あぁいう育て方をされてんのか!




次こそ箸をしっかり拾って帰ろうとした。


「太陽。」

だけどそれを読んでいたの様に呼び止められた。



それは紛れもない幸村精市という一人の人物によって。














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あきゅろす。
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