私立月見里学園高等部 愛の言葉? 「ああ、悪かったね。君が俺の気持ちを受け入れてくれたことが嬉しくて、思わず抱き締めてしまったよ。これからは誰もいない2人きりのところでやるから、ね?許してくれないかな」 内緒話をするようにそう告げられるが・・・気持ちを受け入れた? 俺が先輩の何の気持ちを受け入れたっていうんだ? 「え・・・」 「そうかい、そうかい。俺も嬉しいよ」 って何も言ってないんだが・・・。 「あの相澤先輩」 「アシュレーだよ」 「う・・・アシュレー先輩」 「うーん。先輩はいらないんだけど・・・。ああ!そうか!俺としたことが君の気持ちを考えもせずに・・・。奥ゆかしい君のことだ、まだ呼び捨てで呼ぶには恥ずかしいんだな!うんうん」 ・・・誰か俺にも分かるように説明してください。 じゃなくて、自分で伝えないとダメだな。 高校生にもなって人に頼ってばかりじゃダメだ。 「あの・・・一体何のことですか?先輩・・・の気持ちを俺が受け止めた。とかどうとか?」 そう考えを改めた俺が、どうにか言葉を紡いでそう尋ねれば、今度は逆に先輩が訳が分からないというように首を傾げて見せた。 その仕草も何だかちょっとオーバーリアクションだな。 「君は受け入れてくれたじゃないか!あの告白の庭で俺が愛の言葉を告げたら、抱き付いてくれただろう!まさに天に昇る気持ちというのはあの時のことを言うに違いないさ」 「あ、愛の言葉?」 俺、そんなもの告げられた覚えがないんだが・・・あ、ちょうどニイチのことを考えてたときか? あのあとぶつかって抱き締められたんだし。 [*前へ][次へ#] [戻る] |