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私立月見里学園高等部
A
 離してもらおうと声を掛ければ、そんな風に返されて、俺だけじゃなく周りの空気までもが固まる。

シュガーベイビーってなんだよ。

砂糖な赤ちゃんか?

確かに俺は今朝も母さんたちにせがまれてお菓子作りをして、少し甘い匂いがするかもしれないが・・・。

 意味が分からないというように相変わらず至近距離の相澤先輩を見上げれば、微笑と共に額にキスを落とされる。

おおい!ここは外国じゃないぞ!?

しかもそれはそこだけじゃなく、瞼や頬にも落とされ、ついには唇にもされそうになって、俺は慌てて掌でその口を塞いだ。

「何してんですか」

 俺が言葉を発したことで、固まっていた周りの生徒達も動き始め、また騒がしくなる。

「あ、アシュレー様が!!!!」

「あんな可愛くもない奴にキスするだなんて!!!!」

「ああっ!そんな奴じゃなく僕にキスして〜!!」

って最後の台詞、おかしくないか?

 周りから浴びせられる数々の言葉に、時々首を傾げていると、焦ったような先輩に袖を引かれて、慌てて掌を退けた。

やばい、鼻まで塞いでた。

真っ赤な顔で息を整える先輩に、悪いことしたなと小さく頭を下げると、頭を撫でられる。

んー・・・この扱い。やっぱりさっきの何とかベイビーっていうのは、赤ちゃんってことなのか?

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あきゅろす。
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