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企画
赤面の朝(派出須)
枕元に置いた携帯のメール着信音に気付いた派出須は、まだ覚め切ってない思考のまま携帯へと手を伸ばし、寝転んだまま開いて文面を読むと、静かにそれを閉じた。
視線を横に移すと、そこには熟睡する名前が居る。
昨夜の情事の時の艶やかな表情とは違うあどけない寝顔に派出須の顔に微笑が浮かんだ。
肩や、胸の辺りまで露になったままでくうくう眠る名前に、そっとフトンをかけてやると「ん…」と小さな声を出し名前の瞼が開いた。

「ごめん…起こしちゃったね」
「…ん…まだ、ねる…」

派出須の身体にぴったりと身体をくっつけ、胸に顔を埋めて眠ろうとする名前を一度強く抱きしめ、そっと身体を離す。
なんで自分から離れるのかと、不満げに顔をしかめ派出須の体温を求め腕を伸ばしてくる名前の手を握って言った。

「ごめん…ちょっと用事ができちゃって行かなきゃならないんだけど、お昼までには戻ってくるから」
「びょうま?」

目は閉じたまま、回ってない舌で問う名前に「うん」と派出須は答えた。
名前には自分の身体のことを全て話してある。
派出須にとって、気軽に話せるようなことではなかったが、隠し事をすることによって名前が離れることが怖かった。

「せっかく名前が泊まりにきてくれたのに、一人にしてしまうなんて…」
「いいよ、気にしないで行って?みとがわせんせー待ってるよ。わたしは逸人がかえってくるまでねてるから、だいじょーぶだいじょー…ふぁぁ」

大きな欠伸を隠しもしない名前が可愛らしくて、ますます離れにくい。
握り合う手の甲に「けがしないでね…」なんて口付けられ益々行きたくなくなる。
病魔に侵された人が今この時も苦しんでいると自分を奮い立たせ、派出須はベッドから離れた。

素早く身支度を整えた派出須は、もう眠ってしまったかもしれない恋人に行ってきますのキスをしようと静かにベッドに腰を下ろす。
半分眠ってる名前に白衣の裾をくいと引っ張られ、口付けの催促かと派出須が唇を寄せると「これ貸して」と意外な言葉が聞こえてきた。

「ん…?」
「…白衣、予備がまだあるでしょ、これ脱いで私に貸して…」
「いいけど…」

名前が何故そんなことを言うのかわからず、しかし聞けない望みでは無いので言われるがまま素直に白衣を渡す。
ぼやけた頭のまま、名前はもぞもぞと白衣を羽織ろうと上半身を起こす。

「ん、んー、着れない…」
「名前、それ反対だよ」
「ほえ?」

逆向きの白衣を普通に着ようとするのは無理がある。
それなのに一生懸命それを着ようと奮闘する名前に苦笑いしつつ派出須は名前に手を貸した。
しかし裸のままの名前の身体は朝から非常に目の毒で、なるべく目にうつらないよう着替えを手助けするのは大変だった。

「寒いのなら自分の服を着ればいいのに」
「…だって、自分の服じゃ逸人のにおいがしないもん」

バカ、鈍感。と拗ねた名前はダブダブの白衣に身体を包み派出須から顔を背けベッドに横たわる。
派出須はたまらずその華奢な背中に被さる様に後ろから強く強く名前を抱きしめた。
嬉しさと照れくささと愛しさがどんどん溢れてくるのを抑えられない。
白衣越しだというのに、素肌に触れる時のように身体の芯が昂ぶってしまっているのは、密着した下半身でバレバレだろう。
甘いにおいのする名前の首筋に顔を埋める。

「…すぐに戻ってくるからね…」
「ん…」

派出須の吐息にくすぐったそうに肩をすくめながら、名前はもぞりと腕の中で方向を変えようとする。
まじまじと顔を見られたら、真っ赤なことがばれてしまうだろう。
その前に、こちらを振り向いた名前の唇を、奪い取るような強引さで塞いだ。



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貴様リクエスト、派出須先生が物凄く照れるお話でした!
このぐらいの照れ具合でいかがでしょうか、大丈夫でしたか?
素敵なリクエストどうもありがとうございました!

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