あしぶみ
始めの一歩の続きです
「よぉ。」
「おはよう。」
あしぶみ
春から夏へと変わっていく今日この頃。
俺は変わらずハレルヤを迎えに行っていた。
彼はもうわざわざ迎えに行かなくても、学校に行くような気がするが、どうせ通り道だし、ハレルヤもいつも家の前に立っていてくれているので、自然と迎えに行くのが日課になってしまった。
二人で登校し始めた頃は何を話していいかもわからないし、沈黙も気まずく感じていたが、最近は気まずくならない。
当初は、登校する度に全校生徒から珍しいものを見るような目を向けられていたが、それも最近はなくなった。
どうやら俺も他の生徒たちも、ハレルヤの存在に慣れてきたみたいだ。
ハレルヤは学校に来るようになってから、意外にも無遅刻無欠席無早退が続いた。
いつ教室からいなくなるかとひやひやしていたが、どうやらそんな心配も無用だったようだ。
とは言っても授業中は大抵寝ているし、起きていても落書きしていたり、ただぼぅと窓の外を見ていたり、時々俺と目があってニッと笑ってみせたり…
勉強するようなそぶりは一つも見られないが。
最初はそんなハレルヤに呆れていたが、勉強するために学校に来ているわけじゃないハレルヤにとっては、これで普通なのだろう。
『俺はお前がいるから学校に行く』
ハレルヤの言った言葉が、俺の中であの日からずっと響いていた。
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