◇BLEACH if…
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「水臭いぞ、京楽っ」
白い羽織を纏った白髪の男が、抜刀し破落戸を斬っていたのだ。
「護衛ぐらいつけておけ」
「いやぁ…そこまでするほどでもないと思ったんだけどね…」
「今日くらいは、刀は抜くなよ」
男達は軽口で会話を交わす。
その時だった。
「きゃあ!」
一人の少女が人質に取られていた。人垣より、少し前に出ていたために、破落戸に見つかってしまったらしい。
「…はぁ、全く…」
「刀を捨てやがれっ!」
「あの子は……」
「うん?」
「どうした?」
「助けてっ!七緒お姉ちゃん!」
「…明菜ちゃん!!」
少女の叫びに、花嫁は目を見開き声を上げた。花嫁の呼びかけに、白髪の男の動きは速かった。
瞬歩で破落戸の後ろを取り、少女を奪い返す。少女を抱え、花嫁の側へ下ろすと、納刀し手をかざす。
「破道の三十一、赤火砲」
詠唱を破棄し、連続で赤火砲を破落戸へ向って打ち込む。
「仙太郎!清音!」
「「はっ」」
「後始末は頼む」
何処からともなく現れた部下に、後始末を頼み、男は花嫁達の元へ歩み寄る。
「やっぱり!七緒お姉ちゃんっ!!」
「明菜ちゃん…」
少女は花嫁が間違いなく七緒だと確認すると、抱きついた。花嫁も汚れる事も厭わず、少女を抱き締める。
「もう、大丈夫よ…」
手巾で少女の涙を拭う。
「……うん…」
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