◇BLEACH if…
3
「墓地で立ち話もなんだし、挨拶は済んだ事だし、少し落ち着いて話ができる場所へ移動しないかい?」
 男が優しく話し掛ける。
「…私の旦那様よ。安心してちょうだい」
「……お姉ちゃん…結婚したの?」
「ええ、今日ね。それで、皆に挨拶にきたのよ…」
「そっか…。じゃ、家でお話しよ?」
「お邪魔していいのかしら?」
「うん!」




 少女の家へ移動すると、少女の他に少女の母代わりの人が住んでいた。
「おばさん、お久しぶりです」
「まあまあ、綺麗に、大きくなって…」
 七緒がまだこの地区に居た頃は、少女より少し年上くらいだったのだ。年が近いこともあって、少女と良く遊んだのだという。
「明菜ちゃん、お手紙ありがとう。お陰でちゃんと挨拶ができたわ」
「おじさんとあたしは約束してないもんね」
「ふふ、そうね」
「約束?」
 十四郎が首を傾げ、問い掛ける。
「ええ…父には『隊長になるまで、戻ってくるな』と言われていたんですよ」
「本当に頑固だったねぇ…死に際まで、『呼ぶな』って…」
「……あの人らしいです」
 七緒は苦笑いを浮かべる。死後、少女の手紙によって父の死を知ったのだが、まだ副隊長では挨拶はできないと、七緒は我慢していたのだ。一度、学院時代に家に帰ってみたときに、叩き帰されたのだという。それ以来、七緒は上だけを見据え目指してきた。
「隊長にはなれていませんが…、副隊長で、隊長の元へ嫁いだのですから、反則かもしれませんけれど」
「何を言ってるの、祝い事だもの、喜んでるよっ!」
「そうだよ!」



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あきゅろす。
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