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銀色の空に
3







病室 3012号室






「バカ」




『ぅ、うるせ・・』




「どんな力で刺したら骨にひびが入るんだよ」






そう、俺は腕を刺した拍子に、骨に小さな傷を入れてしまった。


担当の先生を誤魔化すのはかなり大変だったんだからな。

(お前がしたんだろ)





「……ハァ」




『ごめん…』




「陸が消えたら、俺は生きていけない」




『大袈裟だバカ』





最近、やたらこいつにドキドキする事が増えた。

恋愛感情か、ただの条件反射か


そんなの・・言わなくても分かるけど…




『蒼夜』




「どうした?」




今、無性に抱き締めて欲しいと思った。


甘えたい、と





『ぎゅってして』




「……此処でか?」




『うん』




「俺は構わない、けど陸は・・?」




『俺が良いっつってんだから良いんだよ』





勿論、此処は個室では無く、六人部屋で俺は窓際の端っこ。


カーテンはしてあるものの、隙間からチラチラと視線を感じる。





「このまま行くと襲いたい衝動が抑えられない」




『やっぱ良い』




「冗談だ」




そんな風に、軽く笑って俺をぎゅっ、と抱き締めてくれた。


何だ、今一瞬病室が騒がしくなったぞ…?





『やっぱ落ち着くわー』




「俺はもっと先を行きたい」




『やめれ』




つー、と背筋をなぞられ、嫌でも身体が反応してしまう。

蒼夜は最近、やたらボディータッチが多い。





『ぁッ、のさ、・・さいき…そゆの、んっ・・・多くない?』



「男の事情だ」




『ひゃ…っ、そこまでしろなんて・・言ってな…ッ!』





首を吸ったり、背筋をなぞったり、頬にキスされたり…

少しは視線を気にしろ!!!




「ヤバい…」




『おま、ちょ・・触んなよっ』




「陸だって、感じてるだろ?」




『……っ、誰がだよ』





あー、くそ


顔がかなり熱い。


このままじゃ本当にヤバいぞコレ




「陸・・」




『落ち着いたほうが良いと思うよ、ね?』





ギシッ、と言う音と共に、蒼夜の足がベッドに乗る。

俺の後ろは壁や棚、逃げられない・・・




『蒼夜、ぁの・・・』





──カシャーンッ!!




「陸くん怪我したって・・・ほん、と?」



「陸っ!!だいじょ・・、」



「月城、お前どこ怪我し、て……」





勢い良く開かれたカーテン、その先にいたのは例の馬鹿トリオ。



上から、楓、冦吏、黒崎。



やっぱりこいつ等最高だわ




「……ッチ」




『助かった…』






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あきゅろす。
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