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銀色の空に
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「綺麗だな」



『何も無いしね〜』



蒼夜を部屋に招いて、支度をする。


制服や下着を一日分詰め込んだバッグを部屋の隅に置いて、白や黒や赤、時折ピンクや黄色の部屋を改めて見ていた。





「あれ好きなのか?」





あれ、とはきっとガラス細工の事だろう。



涙型の大小繋がっている青い飾りや、ただ丸い透明な、少しピンクや黄色が水玉で描かれている飾り。


ガラステーブルの下の物置には、ハートや猫や犬、クローバーや龍などが飾られている。





『一時期ハマってて、今は暇が無くて買いに行けないんだよね〜。』



「…女らしいとこもあるんだな」



『喧嘩売ってんの?』





小さなガラス細工を眺めていたら、一つだけ不釣り合いな指輪。




「つけないのか?」



『……付けるよ、墓参り行く日だけ』




そう言って察したのか、ちょっと困った顔をした蒼夜が面白かった。




『最近気付いてさー、ほら、内側に"I love it forever"ってかいてんの。』




──永久に愛す。




「・・・・そうか」





『まるでプロポーズ。ま、いつか絶対…意地でも幸せになるけどね』



「・・・俺が、幸せにしてやる」




こいつ何かと上手いな。

ドキドキしちまったぜ。




『今でも、充分幸せなんだけどね。』



「俺に任せろ」



『じゃあ俺も蒼夜の事幸せにしてやるよ。』



馬鹿みたいなこの会話が、俺にとっての幸せなんだよ。


誰のお陰とかそんなんじゃなくて、この場に居ることが幸せ。


時には辛いけど、その後に必ず幸福はあるって、俺は信じてるから。




『じゃ、行ってきます』



「お邪魔しました」


「いってらっしゃい」



「また来なさい」




ほら、これが俺の幸せ。

俺が居て、皆が居る。




『行こっ』



「あぁ」





些細な幸せが此処にある。


気付いてないだけでね。




  To be continued..

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あきゅろす。
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