小説(短編&ドール小説)
紅茶専門喫茶店『ドミール』4
此処『ドミール』は日当たりも良く店内は全体的に明るく、マスターであるウテナをそのまま表したかのような柔らかな色調で落ち着く空間を作っている。
人気の一つにそれも関係しているのかもしれない。
「『桜のフレーバーの紅茶』です」
コトリとシンプルでありながらも上品なデザインのティーカップが閃琅の前に置かれる。
ふわりと桜の仄かな薫りが鼻孔に届き、芳しい春の訪れを感じる。
「有り難うございます。‥やはり、ウテナさんの紅茶はとても上品な薫りがしますね」
閃琅はティーカップを静かに手に取ると、まず一口だけ紅茶を口に運ぶ。
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