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93゚
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「詩遠…ちょ、ちょっと良い?」
 
蘭さんが遠くの方で俺を呼ぶ
 
そんなに遠くなくても良くねぇか?…とも思いながら腰を気遣いながら行く
 
幸慈は蓮さんとお話し中
 
「どうしたの?」
 
床に体操座りをしながらどんよりしている蘭さんの前に、同じく体操座りをする
 
うわ…すこい落ち込んでる……何があったんだ?
 
「あ、あのさ、幸慈のその、行為って優しい?」
 
・ ・ ・
 
あぁ…またトリップしてしまった
 
えっと…行為?
現実逃避しても宜しいでしょうか…
 
なんか…なんでこんな恥ずかしい思いをしなきゃいけないわけ
 
「蘭さんは…どうしたの?」
 
「っだから!!…こう「いや、分かったから!!」
 
俺たちが言い合いしていると、幸慈と蓮さんがこちらを見る
 
苦笑いで誤魔化しながら話を戻す
 
「そ、そりゃ、初めてだったんだし…うん///」
 
「そ…そうだよな///」
 
何もう…2人して照れてるとか可笑しく思われるよ
 
「2人して何照れてんだ?」
 
ほらぁ…もういやっ
 
あ、幸慈の本家だっけか?
あれどうなったんだろう
 
やっぱり無しになるよなぁ…
なんかつまんないかも…って何考えてんの!?
 
「あ、詩遠。お前の事俺が引き取るからな」
 
「え?あ、うん」
 
て事は…住むんだ
 
蓮さんと蘭さんに見捨てられた?
 
やっぱり俺…いけない子なの?
 
だから蓮さんも蘭さんもばぁちゃんも…父さんも母さんも棄てるの?
 
幸慈と離れるのは寂しい
でもここを離れたくない
 
矛盾してんじゃん
 

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