93゚ (16) 「詩遠…ちょ、ちょっと良い?」 蘭さんが遠くの方で俺を呼ぶ そんなに遠くなくても良くねぇか?…とも思いながら腰を気遣いながら行く 幸慈は蓮さんとお話し中 「どうしたの?」 床に体操座りをしながらどんよりしている蘭さんの前に、同じく体操座りをする うわ…すこい落ち込んでる……何があったんだ? 「あ、あのさ、幸慈のその、行為って優しい?」 ・ ・ ・ あぁ…またトリップしてしまった えっと…行為? 現実逃避しても宜しいでしょうか… なんか…なんでこんな恥ずかしい思いをしなきゃいけないわけ 「蘭さんは…どうしたの?」 「っだから!!…こう「いや、分かったから!!」 俺たちが言い合いしていると、幸慈と蓮さんがこちらを見る 苦笑いで誤魔化しながら話を戻す 「そ、そりゃ、初めてだったんだし…うん///」 「そ…そうだよな///」 何もう…2人して照れてるとか可笑しく思われるよ 「2人して何照れてんだ?」 ほらぁ…もういやっ あ、幸慈の本家だっけか? あれどうなったんだろう やっぱり無しになるよなぁ… なんかつまんないかも…って何考えてんの!? 「あ、詩遠。お前の事俺が引き取るからな」 「え?あ、うん」 て事は…住むんだ 蓮さんと蘭さんに見捨てられた? やっぱり俺…いけない子なの? だから蓮さんも蘭さんもばぁちゃんも…父さんも母さんも棄てるの? 幸慈と離れるのは寂しい でもここを離れたくない 矛盾してんじゃん [←][→] [戻る] |