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「俺の親父は、今の俺と同じ歳に組長になったんだ
 
まぁ凄く荒れててな…その時、帛江さんと出会ったらしい。
 
俺は5歳ぐらいだったから覚えてねぇけど」
 
帛江さんとは、詩遠のおばぁちゃんの事だ
 
その名前が出ると詩遠の力は静まり、変形したコップが静かに机の上に落ちた
 
帛江さんは40歳で帛江さんの傍には、詩遠の母親…幸恵さんがいた
 
俺は良く親父の後に着いて、親父が人を殺していく様を間近で見ていた
 
帛江さんはそんな俺を見て親父に言った
 
『人を殺すなんてこと…してはいけません。
貴方の周りを見てご覧なさい
息子さんが可哀想です…こんな小さい頃から、血を見せてはいけません』
 
幸恵さんは俺の頭を撫でて、にっこり笑った
 
その笑顔があまりにも優しくて、俺はなぜか涙が出た
 
「親父にそんなことをして欲しくなかったんだろうな…」
 
やがて、幸恵さんは正孝さんに出会い結婚した
 
俺も式に参加した…もう幸恵さんは子を授かっていた
 
「幸恵さんは20歳でお前を産んだんだ」
 
「えっ…」
 
「生きていれば36歳になる」
 
そこでもまた驚く詩遠
 
生きていれば…という言葉に吃驚したのだろう
 
「幸恵さんは裏の世界では有名だった。
幸恵さんがいれば、一番になれると言われていた
 
俺はんなの興味なかったがな」
 
でも、ある会長の手から逃れられなかった
 
それが桜鳳会の会長だ
 
詩遠に手が届かぬように…帛江さんに詩遠を預けた
 

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あきゅろす。
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