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93゚
(12)

 
携帯を開くが、返事をしないですぐに閉じた
 
「來人、詩遠の学校寄れ」
 
「えっでも、傷が」
 
「いいから」
 
今は真夜中だから多分詩遠は寝ているだろう
 
ただ、内容が内容だからな
 
 
暫くして詩遠の通っている学校に着く
 
「葎は置いてく。明日の昼ぐらいには戻るから」
 
「ちゃんと手当てしてくださいね?」
 
心配性な來人に呆れながらも、寮の方へと歩いた
 
寮長は起きていなかったからスルー
 
やっぱ変わってねぇな
 
高校時代ここに通っていたのを思い出す
 
と共に苦い思い出も
 
そんな苦い思い出を吹き飛ばすように、詩遠の部屋へと急いだ
 
 
ピンポーン
 
チャイムを鳴らすが、やっぱり1回では起きない
 
また鳴らすとバタバタと慌ただしい音
 
寝ぼけてんなぁ…
 
「はぁい。…あっ、勝手に開けんなって寮長に言われてた…さよーな「俺だ」
 
本当に寝ぼけてるな
 
閉められそうになったドアに足を突っ込んで言う
 
「んー…えっ!?こーじ!?」
 
「あぁ、いいから入れろ」
 
戸惑いながらも中に入れてくれた
 
中に入れて灯りを点した瞬間、俺の腹の傷に気付いたのか目を見開く
 
「わわっ、なにしてきたの?…待ってて?」
 
どこからか救急箱を出して、スーツを脱ぐように言う
 
ソファーが汚れないように置き、上半身裸になる
 

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