93゚ (11) バァンッ 乾いた銃砲が響いた 「葎っ!!」 銃を捨てて、葎を引き寄せた その間にも遙たちは、組員を銃で撃っていく 逆に撃たれていった者もいるが、比較的久原の方が残っている 遙なんか虫けらでも殺すかのように見下してるからな 「幸慈さん。終わりました…早く本家で手当てを」 「あぁ、葎。お前も一緒に来な」 葎は大人しく頷いて、俺が歩くのを支えてくれる その間も、泣いていて『ごめんなさい』と呟いていた 車は來人に任せて、携帯を開く 詩遠に仕事が終わったことを知らせ、いつ迎えに行けばいいか聞く 横を見れば、涙が流れる顔が安心そうに寝ている横顔があった 頭を肩に預けさせ、來人にいう 「葎の手配を頼む。久原に入れていいから」 「分かりました…あれ、籍を入れるんですか?」 …一瞬トリップしてしまった と共に、少し抜けてる來人に笑えた 「違う、組ん中に入れとけってこと」 「あ、あぁ!はい!!…手配しておきます」 これが葎を守ることになったのかは分からないけど… と思った矢先、詩遠からメールがきていた [←][→] [戻る] |