93゚
(10)
貫通したわき腹を押さえ、葎を真っ直ぐみる
意外に血の出ぐわいが早いな…
俺のスーツは血のせいでぬるぬるしているし、俺の手は血の色で染まっている
「俺は…はぁ、お前の気持ち知ってて…確かに捨てたな
でも…ッつ、俺は、最初に言ったよな?…関係を持って、も、俺は好きになれない…って
葎はそれでも、いい、って言っ…あー、結構ヤバいな」
今まで撃たれたことなんてなかったから、痛みなんかわからなかった
中途半端に生かされるって辛いんだな…
葎を見るとずっと泣いている
「で…、会長さん。お前があ、の人たちを殺したんだな?」
「ん?…あぁ。あいつらの目、気にくわなかったぜ?
あ、あとこんなこと言ってたな…『詩遠に手を出したら許さない』って」
「会長ー、だからッスよー。白川が潰れたの。てか、なんで葎がいるんスかぁ?白川の頭ッスよねぇ」
「あぁ…良いんだよ。こいつは…罪着せるためにいんだから」
そういう会長に声を上げる葎
やっぱりな…ってことは葎は手を加えてないな
用は済んだ。
さて…と、いつ殺すかな
遙とアイコンタクトを取る
多分、会長を撃ったら一瞬場は静まる
その時に俺は葎を引き寄せて、遙たち組員が他の奴らを一人残らず撃つ
会長がお話に夢中になっている間に…静かに銃を構えた
[←][→]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!