93゚
(05)
それから何事もなく、早めに詩遠を迎えに行こうと思っていた
が、遙がそれを許さなかったから迎えに行けなかった
「予定通り、俺は桜鳳会に乗り込みますからね」
「勝手にしやがれ。ただし、はめを外すような真似したら…いくら遙でも知らねぇからな」
遙はどうも葎が気にくわないらしく、桜鳳会に乗り込むらしい
他の奴らは俺の命令には逆らえないから、遙についていくものは1人もいない
まぁ、俺のことをなんでも聞く奴に副長なんかやらせない
「えぇ、そのときは死にますよ。無論、俺には志紅が居ますのでそんなことあり得ませんが」
ニッコリしながら、席を立つ遙
そんな遙にびくびくする組員
遙が完全に本家を出てから、ずっと黙っていた來人が静かに立つ
それに続いて懐人も、懐人にべったりの白川の者も
「いくら幸慈さんが忘れろと言われましても…これでもヤクザです。殺れたら遣り返す。それだけです」
「兄貴に同感」
「俺は…幹部だったから、色々詳しいし…」
來人が部屋を出ると、懐人も白川の者も出ていた
それが合図のように組員、全員が席を立った
[←][→]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!