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(18)
遙の部屋を覗くと、パソコンとモニターがいくつもあった
壊人も傍で手伝っていた
「遙。なんか分かったか」
「はい、俺たちが話していたところを全部見ましたが、忍び込んだものは居ませんでした」
白川が寄越したものは嘘をついていない…ということか
「次に、屋敷の周りをみたところ…怪しいものが1人…」
壊人が紙を一枚持ってきた
そこには壁の影に人間が
「この瞬間の映像を見せてくれ」
遙がパソコンに向き直り、キーを素早く打っていく
モニターの映像が早送りのように、場面を変えていく
「ここです」
一旦映像を止め、じっくり見る
「拡大…できるか?」
「えぇ」
遙の指がキーの上を滑る
モニターに映っていた映像が、一定の時間で変わっていく
「これ以上は…」
「十分。画像、綺麗にしてくれ」
少しずつ変わっていく画像に苛々が募っていく
やっと綺麗になった画像を見る
「なっ……」
「幸慈さん?」
「…葎 リツ」
なんで葎が…
まさか…白川の?
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