93゚ (18) 遙の部屋を覗くと、パソコンとモニターがいくつもあった 壊人も傍で手伝っていた 「遙。なんか分かったか」 「はい、俺たちが話していたところを全部見ましたが、忍び込んだものは居ませんでした」 白川が寄越したものは嘘をついていない…ということか 「次に、屋敷の周りをみたところ…怪しいものが1人…」 壊人が紙を一枚持ってきた そこには壁の影に人間が 「この瞬間の映像を見せてくれ」 遙がパソコンに向き直り、キーを素早く打っていく モニターの映像が早送りのように、場面を変えていく 「ここです」 一旦映像を止め、じっくり見る 「拡大…できるか?」 「えぇ」 遙の指がキーの上を滑る モニターに映っていた映像が、一定の時間で変わっていく 「これ以上は…」 「十分。画像、綺麗にしてくれ」 少しずつ変わっていく画像に苛々が募っていく やっと綺麗になった画像を見る 「なっ……」 「幸慈さん?」 「…葎 リツ」 なんで葎が… まさか…白川の? [←][→] [戻る] |