04
「はい、コレ1ヶ月分の給料ね」
『ありがとうございます』
「ありがとうございやす」
この二人が勤めだして、このコンビニは有名になった。
美咲の可愛さに、総悟のカッコよさに。
しかも、それが双子ということで一気に客が増えた。
これは、もう店長も大喜びで・・・
しかし、この給料から問題が出てきた。
『おばさん・・・これ、給料です』
早速もらった給料をおばさんに見せた。
私達はドキドキしながらおばさんを見た。
「なかなかやるじゃない。じゃあ、半分もらうわね」
と言って私の給料を袋ごと持っていった。あれで、服とか買おうと思ったのに・・・。
「ちょっと待ってくだせェ」
「何?」
「それは俺達が一生懸命働いて稼いだお金でさァ。返しなせェ」
「何いってんの?あんた達はタダでここに住んでのよ?食事代も!当たり前でしょ?」
「でも・・」
「口答えするの!?」
おばさんは手を振り上げ、総悟を殴った。
「っ!」
総悟は頬を真っ赤にしながら怒りに震えていた。
『やめて、おばさん!』
「貴方も口答えするの!?」
おばさんが手を上げた。私は覚悟した。
硬く目を瞑り、歯を食いしばった。
しかし、頬に痛みはなく・・・
私の目の前に倒れているのは総悟。
私を庇ったのだ、総悟は――・・
『・・総悟っ』
「無事ですかィ?」
『総悟、総悟っ』
私の目からは自然と涙が溢れてきた。
ごめんなさい。
「何なのよ、その目はっ!」
おばさんは私を睨みつけた後、手を振りかざし私を殴った。
『痛っ』
私の頬にも痛みが襲ってきた。悔しかった。とても悔しかった。
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