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○Milky baby 〜化〜 […]
女体化話です。
苦手な方はご注意を。










    +Milky baby+




「ごっそさ〜ん」
「まいどー」

いい気分で店を出た。
今夜は神楽も居ないので、長谷川さんと二人で飲みに来ていた。

「は〜食った〜」
「もーちょっと飲みてぇな」
「お?銀さんもう一軒行く?…っつっても俺あんまし金ないんだよな」
「なら 酒買ってってウチで飲む?」
誰もいねぇし と誘うと
「いいの?じゃあ」
長谷川さんも乗ってきた。

「よっし決まり〜 …あ でも多分ウチ何も無いかも」
「それならさ 最近面白い所見つけたんだよ」



そう言って長谷川さんが連れて行ってくれたのは、街からは離れた薄暗い界隈だった。
所狭しと屋台の様な店が並び活気があるが、その殆どが天人の物だった。

「いわゆる闇市みたいな場所なんだよね ここは」
「…見るからに怪しくね?」
小声で長谷川さんに聞く。
「まぁな ここの天人は違法滞在者なんかが多いんだよ」


行き交う人々の半数以上は天人の様だ。
役所なんかで見る偉そうな奴らと違って、アウトローな雰囲気ムンムンだけど。

「その代わり 物が安いんだよ」
「ふーん」

適当に品物を見てみると、確かに安い。
売ってる物も大して地球の物と大差無いようだ。
ただ、パッケージに表示されている文字はこっちのモノでは無いので読んでもさっぱり分からない。

「まぁ酒とつまみ程度なら大体分かりゃ平気でしょ」
「コレ分かんの?長谷川さん」
「一応入管に居たからな…全部は流石に読めないけど単語位なら何とか分かる」
「おぉ…初めて長谷川さんが素敵に見えたわ俺」
「え…今の泣くところ?」

長谷川さんがそう言うなら と、店を物色し始めた。
酒に菓子にインスタント食品…どことなく地球の物と似ていて、食べ物ってのはそんな変わらないんだななんて思う。

「これさ ビールによく似てんだよ」

そう言って、長谷川さんは缶入りの飲み物を買っている。

「へ〜 長谷川さん これは?」

菓子らしい絵の描かれた袋を手に取る。

「多分スナックみたいなモンだな」
「じゃあコレと チョコとかない?」
「それならこっちだな」

指差された箱を手に取り、せっかくだしと他の物も物色してみる。
適当に選び、その店の主らしき天人のおばちゃんに声をかけた。

「おばちゃん これでいくら?」
「ニセンエンにナルマス」

恰幅のよいおばちゃんは片言でそう言うと、袋を出して品物を入れてくれた。

「あ ちょっと待って」
金を払おうとして、近くにあった食べ物に目がいった。
小さいカップに入った三つ入りの…

「おばちゃん これってプリン?」
「ソゥ プリンプリンだヨー」

そう言って、胸元に山を作る様に手を動かした。
乳?ミルク?
…片言で良くは分からんけど、中身が白いからミルクプリンか何かだって事か?

「じゃあコレも」
「マイド 買うのイッパイしてクレたから コレオマケすル」
「マジで? ラッキー」

会計を済ませた所で長谷川さんがこちらに戻って来た。

「じゃ 帰って飲み直すか」


そうして、家路に付いた。

「何だかんだ言って銀さん結構買ってんじゃん」
「まーなー つか長谷川さんよくあんなとこ知ってたな」
「安酒のあるとこはさ ほら 情報網が」
「公園住民の情報網?」
「そうそ…  うん」
「馴染んでるようで何よりじゃね?」
「うるせー…」


ともあれ、万事屋に帰り着く。
買って来た酒と肴を広げ、二人で朝まで飲み明かした。






「…ん」

眩しくて目を開けた。
瞼も頭もめっちゃ重い。

「…んぁ 朝」

体を起こすと万事屋の応接間ソファの上だった。
窓から日が差し込んでいる。
そーだ…昨日長谷川さんと飲んでそのまま…


向かいのソファには長谷川さんが鼾をかいて寝ていた。

「あー…頭いて 飲みすぎた」

なんか声が変な気がする。
水でも飲もうと立ち上がり、ついでに長谷川さんに声をかけた。

「おーぃ 長谷川さ〜ん 朝だ起きろや」
「…ぅ もう朝…」

グラサンの下から眼を擦りながら…つーか寝る時くらい外せ…ゆっくりと体を起こす。

「水飲むか?」
「あ うん… ……――ぁっ」

目を覚ました長谷川さんが妙な声を出した。

「すんませんすんません俺酔っぱらっててそのっっ」
大声でそう言うと、凄い勢いでソファの上で土下座を始めた。
「…は?何?まだ酔っぱらってんの?」
「酔っぱらってるとはいえギャルの…っ あのっ 上がり込んですんませんっ」

言い切ると部屋を飛び出そうとした。

「オイコラちょっと 酔いすぎだぜオッサン つかギャルって死語…どこにギャルが居るんだ?」
すかさず捕まえる。
「いやその間違いは犯して…慰謝料とかは本当に勘弁して…」
「…待て 落ち着け」
「こんなことハツにばれたら今度こそ見捨てられ」
「まず黙れ」
煩いのでとりあえず鳩尾に一発入れると、ようやく黙った。


「ちゃんと周り見てみろ ここは何処だ?」
「ぐぅ…そりゃ君の部屋… あれ?万事屋?」
「昨日はどうしてた?」
「昨日は銀さんと飲んで…」
「で?ギャルは何処に居るんだ?」
「え?」

ぽかんとして長谷川さんが俺を指差す。

「…そりゃ銀さんもオカマバーやら何やらやってきたけど ギャル言われたのは初めてだよ」
「え… 銀さん?」
「あぁ」
「…えぇ? 銀さん?」
「それ以外の何だってんだよ」
「確かによく見れば… ちょっと俺の事言ってみて」
「は?…元入管のエリートだったのにバカ皇子に喧嘩売ってクビになって奥さんに見捨てられて再就職出来ずに公園に住んでるマるでダメなオッサン 略してマダオだろ?」

一気に捲し立てると、長谷川さんは驚いた顔をする。

「合ってる… 銀さんなの?」
「だからそうだって」
「…ちょっとこっち」

そう言って俺を押して連れていったのは洗面所。

「だって ほら」


鏡に写った自分の姿に唖然とする。

細っこい首。
着崩れた服の襟元から見える豊かに膨らんだ胸。
心なしかいつもより少し大きく見える眼。
ずっ とズボンのウェストがずれた。

「…は?この鏡どんな仕掛けだよオイ」
「いや仕掛けじゃなくて むしろ鏡より銀さんの方が…」
「…… ―寝よう」

そうだきっとまだ酔ってるんだ俺。
寝直せばほら…きっと…

「夢じゃないって…ほら」

長谷川さんが俺の手を取り、俺の胸に当てた。
ふにゅふにゅと柔らかい感触と、同時に触っている感覚がしっかり感じられる。

「…おっぱい…」
「…そう」
「大好きなハズなんだけど…」
「うん そうだね」
「…長谷川さん背伸びた?」
「つーか銀さんが縮んだ」

「…っいゃあああぁぁぁァ」

朝の絶叫は頭にクるなぁとかぼんやり思った。
俺低血圧なんだって…


「はー…」

ふらふらと応接間に戻る。
へたりとソファに座り込むと、長谷川さんが水を持って来てくれた。

「…何で?コレ」
「分かんねぇよ 寝てる間は何もなかったのか?」
「何も…」
「二人で一緒のモン飲んでて何で銀さんだけ…」

二人ぶつぶつと話していると

「おはようございまーす」
「ただいまヨー」

玄関を開ける音がして、新八と神楽がやって来た。

「銀さん起きてますか…って」

応接間の入口で新八が固まる。
ヤバい…今のこの状況は…

「長谷川さん…人ん家に何女の子連れ込んでんですか」
「は?いや コレは」
「言い訳ですかマダオが」
「ちょっ 違…誤解だ」
「落ち着けって新八」
助け船を出そうと割って入る。
「アナタも何ですか…って何で僕の名前…?」
「なになに?マダオが女連れ込んだアルか?」

ひょこっと顔を出した神楽が

「あれ? …銀ちゃん?」

俺を見て首を傾げた。




30分後。
昨晩からの経緯を話して、どうにか二人に信じてもらえた。

「はー…なんでだろ」
「やっぱその天人の食べ物じゃないですか?」
新八が言うと
「でも俺も一緒のモン飲み食いしてたんだぜ?」
「マダオのままアルな」
たしかに、長谷川さんはそのままだ。
「そうですねぇ…」

新八は飲み散らかしてあるテーブルの上を見回した。

「あれ?コレプリンですか?」
「あぁ 多分ミルクプリン」
「それ俺食ってないや」
長谷川さんが言うと
「…もしかしてコレ…」
新八が何か思いあたったのかパッケージを拾い上げる。
「長谷川さん これ何処の星のか分かります?」
「ん〜と…」
長谷川さんはパッケージを受けとると書いてある文字を読み始めた。

「多分…"可宇星"のモ
とにかく、もう一度その闇市に行ってみることになった。
ガキ共に行かせるには危ないからと、長谷川さんと二人で向かう。

昼前に到着すると、夜程ではないが幾らかの店は営業していた。
運良くプリンを買った店も開いていたが、生憎あのおばちゃんはいないようだ。
ダメもとで店番の兄ちゃんに聞いてみる。

「あのー…ココで売ってるプリン…」
「あぁ コレ女の子に人気ダネ 胸大きくナル」

ちょっと片言だが、おばちゃんよりは地球の言葉が分かるようだ。

「ソレって男が食べるとどうなるんだ?」
長谷川さんが兄ちゃんと話を始めた。
「別にちょっと食ベテモ何もナイよ」
「…いっぱい食べたら?」
「ン〜 地球だと女の子の体女らしくスルらしいカラ 男も女らしくなるカナ」


「銀さん 幾つ食べた?」
長谷川さんが小声で聞いてきた。
「…三つ全部」
「全部!?」

「あ〜 デモ」

小声でこそこそやってる俺らに、兄ちゃんが

「コレしばらくすると効果きれて元にモドル 胸大きいままにしたいなら続けて食べないと…」
「戻る?どれくらいで?」

長谷川さんがすかさず突っ込む。

「ウン 薬じゃなくて食べ物だカラね どのくらいでモドルかは人によるみたいダケド…」
「わかった! サンキュー兄ちゃん」

戻ると分かって安心した。
礼だけ告げて踵を返す。

「アレ?買ってかないの?」

お姉サ〜ンなんて後ろから呼ぶ声をほっといて万事屋に急いだ。






「とりあえず 戻ることは出来るんですね」

闇市で分かった事を万事屋で待っていた二人に話すと、新八がほっと胸を撫で下ろした。


「あぁ どれくらいで戻るかはわかんねぇんだけどな」
「でも良かったネ 戻るなら問題なしヨ」

新八の隣で神楽が言う。

「銀ちゃんワタシにも今度そのプリン買ってきてヨ」
「…お前にゃまだ早い」

身を乗り出す神楽のデコを軽く小突いて、ソファの背もたれに寄りかかった。


「…どんくれぇで戻るんかな…」

長い間ではなさそうだけど、はっきり分からないってのはやっぱり不安ではある。

「まぁ…暫くの辛抱だって」

俺の隣で、一緒に帰ってきた長谷川さんが慰めてくれる。
じたばたしても仕方ない…か。


安心したのか少し気が抜けて、不意に催してきた。

「ちょっと厠…」

立ち上がりかけて固まる。

…そうだ…


「銀さん?厠行くんじゃないんですか?」
「いや…えと…」

立ち止まっていると長谷川さんがにやりと笑う。

「銀さん…もしかしてナニを確かめるのが怖いとか?」
「こっ 怖くなんざ…」

…そうとも。
身体がこんだけ変わってんだ。
おそらくムスコも…

「別に用を足すくらいしか使い道なかったネ どってことないアル」

神楽の言葉がぷすりと刺さる。



「…うっせーぞテメェら …べっつに俺はこれくらいどーってことねぇからなっ」


廊下をどすどすと歩き、厠の前に立つ。
『…ごくり』
ちょっとだけ気合いを入れてその扉を開けた。





……Please wait




銀さん女体化話。
ちょっと長くなってしまいそうですが…お付き合い戴けたら嬉しいです。
一応土銀なお話になります。



夏頃にコピ本で漫画にしたいなとか企んでます。
…多分R18。

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