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「ひーーーっ、こんなに数が違うのー!!!」



A組とB・C組の数の違いに悲鳴にも似た叫びをする。それもそのはず、B・C組はA組の二倍、いや三倍近くあるのだから。



(しかもあっちの総大将ヒバリさんじゃん!どーやったって勝てっこねーじゃん!)


冷や汗をかき、顔を青くする綱吉。それに対して恭は余裕な表情でいる。




(あ、ヒバリさん欠伸した、可愛いー……、風に靡く制服、落ちないよなー。着ているのがスカートだったらパンツ見え…じゃない!何考えてんだ俺ぇぇぇ!でも、ヒバリさんなら似合いそう…。)


青ざめていたくせに、何を考えてるんだ、と言いたくなるような事を考えている綱吉。ムッツリスケベもここまで来ると大物だろう。だだ制服が風に靡いているだけで、スカートにまで辿り着く思考。流石はムッツリスケベ。(二回目)






「開始!!!」



教師の合図と同時に足を踏み出す。すごい叫び(雄叫び?)の中、二つのチームの距離はどんどん縮んでいった。


目の合った者同士が殴り合い、なんとしてでも自分達が勝利を得ようとするその姿は、醜く、狡猾だった。しかしA組の人数は極めて少ない。そのせいか、早くも綱吉の下にC組の男子が迫ってきた。
ガッ、と綱吉のあしくひを掴み、「っしゃあ!」と歓喜の声を上げた。コイツを落とせば勝利を得られる、そんな考えが頭をよぎる。そんな男子に綱吉が恐怖を覚えない訳がない。

リボーンが来るまではただの一般人だった綱吉。他の人より学力や体力が低く、人一倍気が弱いだけ。

つまりは根性が無い彼。
捕まれたとはいえ、もう片方の足で相手の手を蹴り落とせばこの危機からは逃れられるはずだ。普通ならば"抵抗"の手段を取るが、綱吉は違う。

ただ引っ張られて落ちそうになる感覚に怯え、「離して」と叫ぶだけで何もしない。少しは体を張って抵抗すればいいのだが。



ドガッ

「大丈夫スか十代目!!?」



突然男子の背を蹴り、綱吉を救った獄寺。「獄寺君!」と声をあげる綱吉。



「しかしまいったな!頭数が違いすぎる!」

「ちぃ!離さんか!!攻めるにもこれではラチがあかん!」


山本に続いて了平が言う。



そんな事を言っている間にも、男子達は綱吉を狙うべく棒へ上っていく。綱吉の顔を蹴ったり殴ったりしたせいか、バランスが崩れ棒が傾いた。



「わっ!うわぁああ!!倒れるー!!!」








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「暇だ。」


現在恭の付近にいるのは棒を支える人間だけ。A組の連中は誰一人此方に向かってこなかった。というか、向かえない。

A組はB・C組の攻撃で動くことはできない。だが、それ以上に恭が恐ろしい為だ。誰が好き好んで並盛のトップを殴りに行かなければいかないのか、下手に向かって怪我するより此方で攻防した方がまだいい。



「…。」


この後はどうなるのだろうか。
脳をフル活用して原作内容を思い出す。
…確か、沢田が死ぬ気になって騎馬に乗って落ちてリンチされるんだったような。

殴られるのは痛い。


哀れに思ったのか、恭はあることを考えた。




自分から地に足を付ける。

それは自分から負ける、という行為だが、彼は気にしない。


だって並盛のトップだもん。←ぇ




伏せた顔を上げ前を見ると、綱吉が棒から落ちているところ。



(空中復活…!)



「空中復活!!死ぬ気で棒倒しに勝ぁ――つ!!」




まさに、服が脱げた瞬間だ。





綱吉が人を踏みつけ騎馬にのる。

「行けー!目指すは総大将!!!」



うおおおぉ、とまるで重戦車のように向かってくる。



棒を支えていた彼らが少なからず焦った様子を見せた。
それを見た後、僕は棒の上に立ち上がり、









「終わりにするよ。」








トッ、と軽い音を立て地に降り立った。









「…え…。」


当たり前のように、騒がしかった彼等が黙った。それはそうだろう、負けてしまうのに、恭は自分から地に足を付けたのだから。







「何黙ってるの。」

「ひっ!」





戸惑いながらも、教師は勝利を告げた。


その後恭は泉の手を引いて応接室に戻っていった。









[*書類整理][咬み殺す#]

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あきゅろす。
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