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9月20日。
本日は体育祭、人々はこれから行われる競技を待ちわびていた。全校生徒が校庭に出て、自分のクラスの場所に待機するのだが…。

やはりと言うべきか、本日も恭は応接室にいた。





「いやー、美味しいねコレ!(モグモグ)」

「…………。」

「甘ーい♪♪」

「………………。」

「恭も食べればいいのにー。」

「…何しに此処に来たの。」

「体育祭を見るため。」

「じゃあ菓子食うの止めろ。」

「あぁっ!私の和菓子ぃぃ〜〜〜っ!!」




現在書類整理中の恭の前で、呑気に和菓子を頬張っている彼女、平川泉。彼女は恭の同居人、つまり保護者なのだ。

さて、何故彼女が此処にいるのだろうか?和菓子をだだただ頬張っている彼女。美味しい美味しい、と言いまくっている泉。かなりウザい。

最初はシカトを決めつけていた恭だが、ついに耐えきれなくなり質問をする。

彼女はそれに何て答えたのだろうか?
体育祭を見るために来た、と言っているくせに窓には目も呉れず、恭が草壁に買ってこさせた(パシらせた)和菓子を頬張っている。

そんな彼女にイラついたのか、恭は和菓子を取り上げた。案の定、返して、と唸っている泉。だがスルーを決め込む。





体育祭を見るために来たのなら、校庭に出ればいい。

だが、彼女は出て行かない。





「…体育祭、見ないの?」

「だって、恭出ないんだもん。」






──私は恭が出る競技が見たいのよ。



クスリ、と笑う泉。それには慈悲のような優しさが伺える。






「…じゃあ、棒倒し出る。」

「じゃあ行こうか!」

「わっ、」



恭の手を握って応接室のドアに手をかける泉。「ちょ、引っ張らないで。」と言う恭だが、手については何も言わない。それどころか満更では無さそうな表情だ。


恭が嫌がらないのは、やはり相手が泉だからなのだろうか。










[咬み殺す#]

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