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「え…?」
一瞬、幻聴かと思った。
「恭弥がもっと早くお兄ちゃんを助けていれば、こんな事にならなかったのに。ねぇ、恭弥は強いんでしょ?強い人にも勝っちゃうんでしょ?なのになんで…!」
お兄ちゃんを助けてくれなかったの!?
気付けば、走り出していた。
京子が言ったことが、
「嘘だ…、」
信じられなくて。
「嘘だ…、」
気付けば、涙が頬を濡らしていた。
了平が怪我したのは僕のせい?
僕がもっと早く助けていれば、怪我しなかったの?
そうすれば、京子にあんな事言われなかった?
その日から、僕はずっと京子を避けていた。
また、言われるのが怖くて。
首に残った傷を、何か言われるんじゃないのか?
恭弥が助けていれば、これは無かった。
そう言われるのが怖くて。
そのまま、月日は過ぎていくのだった…―――。
(ごめんね、京子。)
[*書類整理][咬み殺す#]
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