2 現在先生と向き合っている僕。…心拍数あがってきたかも…。 「君の名前は?担任に伝えなきゃいけないから。」 「三年A組、雲雀恭弥。」 「…その怪我は、殴られたのよね?」 「え、分かったんですか。」 これでも医者だもの、と先生は笑う。…流っ石ー。 「誰にやられたの?」 「…ケンカ、ふっかけた奴らです。」 「そう…。誰だか分かる?」 「…知らないです。」 見たこと無いしね。 「もういいですよね?」 僕帰りますよ、と言えば先生はまた僕を止める。まだあるの?なんて思いながら足を止めた。 早く終わらせてほしい。 「…ねぇ雲雀くん。あなた、悩んでるでしょ。」 「!」 ドキ、とした。 確かに僕は悩んでいる。…雲雀恭弥になったことで、自分の名前を呼ばれなくなったことを。 僕の名前は恭なんだよ、といっても頭がおかしいと思われるだけ。 前世の記憶があるなんて、バカだって、笑われそうで。 そう思われたくない為に、゛雲雀恭弥゛を壊さない為に…、頑張ってた。 雲雀恭弥はボンゴレファミリーにとって不可欠な存在だ。僕の゛普通に生きたい゛という勝手な想いでボンゴレを壊すわけにはいかない。 …ボスとなる綱吉にまで影響がいくから…。 だから、"雲雀恭弥"になるために、 強くなった。 頑張った。 耐えた。 孤独(ヒトリ)になった。 京子や了平達にも学校では話さなかった。 …なんで僕は雲雀恭弥なんだろう…。 「―――くん、雲雀くん?」 「ッ!」 「黙っちゃって…どうしたの?」 気付かないうちに、僕は黙っていたらしい。 申し訳ないな、と思いながら顔を上げ、目線を合わせる。 「…何も、無いです。」 話せるわけない。 信じてもらえないから。バカだ、って言われる。 「嘘。」 なのに……、 「どんな事でも、信じてあげる。突き放さないし、バカにもしない。 …話して?雲雀くん…。」 なんで、こんなにも話したいんだろう、信じたいんだろう。 「ぼく、は……、」 (前世の記憶があるんです。) [*書類整理][咬み殺す#] [戻る] |