はじめての、咬み殺す 二時間目が終わると、次は中間休み。 昼休みとは違うものだ。 25分間の休み時間が始まった。暇だったが、いつものようにボーっとするのでは無く、体を鍛えていた。 将来、並盛の頂点に立つために。 普段は家で隠れてやっていたが、今日は何故かやる気になったのだ。 なんでだろ、と考えながら走っていると、目の前に何かが落ちてきた。 カラン 「!」 目の前には銀色のもの。 それは神々しいまでに太陽の光で反射して光っていて。綺麗なのに恐怖を感じる銀色のそれは、確かにそこに存在していた。 これはまさに、 「トン、ファー?」 雲雀恭弥がもつ、凶器の。 なんで? 確か前方には何も無かったはず。なのに、なんでなんでなんで。 急に現れた? ありえない。ありえない。前には何も無かったはず。 原作で雲雀がトンファーを入手したシーンは見ていない。だが、確実に先程のような事で入手するはずがない。 …僕が、雲雀恭弥になったから? 原作が変わったのだろうか? 何故このような事が起こったのかは分からない。だが、僕はこの凶器を常備しなくてはならないので、ありがたく貰うことにした。 ――校舎裏 「オイ!テメー、いい加減にしろよ!!」 「邪魔なんだよお前!!」 ドン、と押され堅い校舎の壁にぶつかる。そして再び始まる罵声。 …また、呼び出された。 飽きないのかコイツ等、と思うが口には出さない。なんでこんな弱い草食動物に言わなきゃいけないのさ。 「…何が邪魔なのさ。」 僕からすればそっちが邪魔、と言えば、頬に強い衝撃。…殴られたか。 「ッ…。」 「最初は俺らが並盛小最強だったのによぉ!」 「お前がいるから俺らは貶されるようになったんだよ!!」 「単なる逆恨み、だね。」 死ねばいいのに。 そう呟いたら、また罵声が飛んだ。 「ナメんじゃねぇぞチビ!!」 「(ピクッ)…チビ…?」 現在の僕の身長は平均より下。僕が気にしている事。 原作は169cmなのに…なんで今はこんな小さいんだろう。 …すなわち、チビは僕にとって禁句。 「ふぅん…いい度胸じゃないか。前々から思ってたんだ、僕。一匹じゃ弱いくせに群れれば強いと勘違いする。…僕が嫌いなのは草食動物、そして群れている奴。」 丁度良い、拾ったトンファー、試させてもらうよ。 「群れているなら、 咬み殺す。」 校舎裏に残ったのは、殴られたかのような傷を残し、屍と化した少年等。 [*書類整理][咬み殺す#] [戻る] |