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「お兄ちゃーん!」
僕とボクシング男が成立しない会話をしていると、その場には合わないような可愛らしい声がした。
あれ、何か聞いたことある気が。なんて思いながら斜め後ろを見ると、可愛らしい女の子が、ニコニコと笑いながら走ってくる。
…お兄ちゃんて、まさか。
「おお、京子!雲雀、紹介するぞ!こいつは俺の妹の京子だ!!極限に可愛いだろう!!!!」
…やっぱり。
ってか笹川(兄)ってシスコン…?
「あれ?えと、お兄ちゃんのお友達?」
「極限にそうだぞ!!」
極限極限うっさいな。
「雲雀恭弥というのだ!」
勝手に名前教えないでよ。
…まぁ、減るもんじゃないけど…。
…京子可愛いし…(←可愛いもの好き)
「極限によろしくだぞ恭弥。」
「よ、よろしくね!恭弥!」
あれ、名前呼び?
「……………………よろしく、笹川兄妹。」
僕がそう言うと、二人はガシッと僕の手を掴み、ジッと見つめながら言う。
「京子!」
「了平だぞ!」
…これは、名前で呼べと?
「…やだよ。」
「「了平!(京子!)」」
「…やだy「「了平!!(京子!!)」」」
「……y「「了平!!!(京子!!!)」」………………了平、京子。」
…しつこい。
渋々呼べば、二人は満足したかのように、満面の笑みを浮かべ、手を離す。
…正直、名前を呼ばれたくなかった。
苦しかったし、悲しかったし。
「じゃあ、教室に戻るぞ!」
「あ、私あっちの組だから、じゃあね!」
パタパタと走り出す京子を見送って、了平は「戻るぞ。」と言う。
「………うん、戻ろうか。」
名前は、我慢しよう…。
[*書類整理][咬み殺す#]
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