2 「お兄ちゃーん!」 僕とボクシング男が成立しない会話をしていると、その場には合わないような可愛らしい声がした。 あれ、何か聞いたことある気が。なんて思いながら斜め後ろを見ると、可愛らしい女の子が、ニコニコと笑いながら走ってくる。 …お兄ちゃんて、まさか。 「おお、京子!雲雀、紹介するぞ!こいつは俺の妹の京子だ!!極限に可愛いだろう!!!!」 …やっぱり。 ってか笹川(兄)ってシスコン…? 「あれ?えと、お兄ちゃんのお友達?」 「極限にそうだぞ!!」 極限極限うっさいな。 「雲雀恭弥というのだ!」 勝手に名前教えないでよ。 …まぁ、減るもんじゃないけど…。 …京子可愛いし…(←可愛いもの好き) 「極限によろしくだぞ恭弥。」 「よ、よろしくね!恭弥!」 あれ、名前呼び? 「……………………よろしく、笹川兄妹。」 僕がそう言うと、二人はガシッと僕の手を掴み、ジッと見つめながら言う。 「京子!」 「了平だぞ!」 …これは、名前で呼べと? 「…やだよ。」 「「了平!(京子!)」」 「…やだy「「了平!!(京子!!)」」」 「……y「「了平!!!(京子!!!)」」………………了平、京子。」 …しつこい。 渋々呼べば、二人は満足したかのように、満面の笑みを浮かべ、手を離す。 …正直、名前を呼ばれたくなかった。 苦しかったし、悲しかったし。 「じゃあ、教室に戻るぞ!」 「あ、私あっちの組だから、じゃあね!」 パタパタと走り出す京子を見送って、了平は「戻るぞ。」と言う。 「………うん、戻ろうか。」 名前は、我慢しよう…。 [*書類整理][咬み殺す#] [戻る] |