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ザク、ザク、
土を踏みしめる度に鳴る音は寒さの証、暗闇にチラチラと、折れた霜柱が輝く。
土の後は芝で、大きく開けたそこは人工の光からも少々離れるせいか、星がいつもより多く見えた。
空を仰いでアポロは白い息を吐き出した。
冷えた静かな夜。
と言ってもやはり街の方は賑やかなのだろう。
楽しそうにはしゃぐ教え子達の顔を思い浮かべて、少し笑う。祭り好きの彼等のことだ。
きっとまた騒いでいるに違いない。
そんなことを考えながら、靴の底で芝生を撫でた。
人の声が聞こえた。
気のせいか?
しかし夜空の下確かに近付いてくるそれは何人かのざわめきで。
もしかしたら。
脳裏に浮かぶと同時に、彼等と目が合った。
「あれ?誰かいねぇか」
「え」
「あ」
「嘘」
「監督ー!!!」
真っ先に声をあげた人物は、敬愛する飼い主を見付けた犬のごとくアポロに跳ね寄った。
夜闇から、歯の白さが雫れる。
それに続く面々も、見慣れた、どころか、見飽きた、くらいの若者達だった。
「お前達…どうしてこんな所に」
「いやむしろそれこっちの台詞っス」
長めの金髪をマフラーにしまい込んだホーマーが言う。
「僕ら去年も一昨年もここ来たんですよ。みんなで」
「パンサーが夜中に行こうとか言うから」
先程真っ先に近付いてきた人物、パンサーを見ると、えへへと照れたように笑っている。
「だって、やっぱり挨拶しときたいじゃないですか」
なるほどな。
アポロが呟くとパンサーが尋ねる。
「監督もですか?」
「俺は別に…」
「別に?」
「…………そんなところだ」
その言葉を聞いて、パンサーの顔には更に笑みが広がった。
「毎年本当は、"みんな"でやりたかったんですよ。やっと揃いました」
「よーし、一列に並べ並べ。さっさとやっちまうぞ」
ごそごそと動き始めた一同を見てパンサーが言う。
「監督もやりますか?」
「揃ってやりたかったんだろう。協力くらいはしてやる」
パンサーの隣に立つと嬉しそうに笑う。
寒い夜更けのフィールドに、人影が連なる。
一年の始まりに。
「せーのっ、」
今年もよろしくお願いします!
END
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明けましておめでとうございます。
ネタは気に入ったんだが文があうあうあー
本年もよろしくお願いします。
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