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『お、おおかえりなさいませぇ。ご、ご主人様ぁ…。』
小さく頭を下げてから引き攣った笑みを浮かべる。
「2名様ご案内しまぁす!」
同じ入口に居た月が2人の男性を案内する。
月の衣装はというと、男なのに黄色と白のメイド服。(因みに選んだのは媛乃。)
初めは抵抗してたのに今では開き直ってノリノリだ。
「零、しゃきっとしなさい。」
『…ごめん。』
純白のメイド服を纏った媛乃が仁王立ちで現れた。
何故私達3人だけ衣装が違うのかは未だに謎だ。
「おっ、君可愛いね〜。」
『…はぁ。』
「ど?俺達と一緒にお茶しない?」
『あ、いや、』
腕を掴まれ、その手をやんわり外そうと試しみるが何気に力が強い。
媛乃は見て見ぬ振りだし、月は違う客に捕まっている。
あまりにしつこいから鳩尾に1発決めてやろうか、と機会を伺っていたら聞き慣れた声が耳に入った。
「俺の零に何か用か。」
『…キョウくん。』
眉間に皺を寄せたキョウくんの隣にはレンくんとサクも居る。
3人の登場によって、男達はそそくさと去っていった。
『…レンくん、言いましたね?』
訝しげにレンくんを見つめると、にやにやと嫌な笑みを浮かべるだけでちょっとむかつく。
「レイ、何だその格好は。」
『え?え、と…一応メイド服、ですけど。』
「ツインテール可愛いね、レイ。」
サクに頭を撫でられた。
何か久しぶりな気がする…。
「ね、キョウ?レイ可愛くなったよね?」
首を傾げキョウくんに目を遣るサク。
キョウくんは私を一瞥した後、そっぽを向いた。
む、失礼!
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