3 『お、おおかえりなさいませぇ。ご、ご主人様ぁ…。』 小さく頭を下げてから引き攣った笑みを浮かべる。 「2名様ご案内しまぁす!」 同じ入口に居た月が2人の男性を案内する。 月の衣装はというと、男なのに黄色と白のメイド服。(因みに選んだのは媛乃。) 初めは抵抗してたのに今では開き直ってノリノリだ。 「零、しゃきっとしなさい。」 『…ごめん。』 純白のメイド服を纏った媛乃が仁王立ちで現れた。 何故私達3人だけ衣装が違うのかは未だに謎だ。 「おっ、君可愛いね〜。」 『…はぁ。』 「ど?俺達と一緒にお茶しない?」 『あ、いや、』 腕を掴まれ、その手をやんわり外そうと試しみるが何気に力が強い。 媛乃は見て見ぬ振りだし、月は違う客に捕まっている。 あまりにしつこいから鳩尾に1発決めてやろうか、と機会を伺っていたら聞き慣れた声が耳に入った。 「俺の零に何か用か。」 『…キョウくん。』 眉間に皺を寄せたキョウくんの隣にはレンくんとサクも居る。 3人の登場によって、男達はそそくさと去っていった。 『…レンくん、言いましたね?』 訝しげにレンくんを見つめると、にやにやと嫌な笑みを浮かべるだけでちょっとむかつく。 「レイ、何だその格好は。」 『え?え、と…一応メイド服、ですけど。』 「ツインテール可愛いね、レイ。」 サクに頭を撫でられた。 何か久しぶりな気がする…。 「ね、キョウ?レイ可愛くなったよね?」 首を傾げキョウくんに目を遣るサク。 キョウくんは私を一瞥した後、そっぽを向いた。 む、失礼! *前次# |