夏ホラーレビュー カトラス「ネクロマンテック・マザー」 誰もが見たことないくらい、狂ってる。 読む 圧倒的な読者支持をもって夏ホラーで最も良い作品だと評価されたのがこの「ネクロマンテック・マザー」だ。 何もかも他の作品とは桁が違う。圧倒的な狂気、圧倒的な展開、圧倒的な驚愕、圧倒的な現実感。正に2007年夏ホラー、ベスト作品といえる。 主人公の作品は読めばすぐ分かるが、最初から最後まで狂っている。その狂い方、半端ではない。 父親は冷蔵庫に詰め込み、主人公はほぼ毎日母親とセックスをして暮らしている。とんでもなく異常な物語だ。 トリッキーであるが、不思議と読者の距離感は近い。何故ならユニークな語り口で読者に歩み寄り、これが普通だという暗示をゆっくりとかけるからだ。 現実と非現実の狭間で、貴方はこの恐怖を受け入れてしまうだろう。 読んでいって欲しい。そして最後に放たれたものを見送って欲しい。 それこそ真の恐怖だ。 [次へ#] [戻る] |