BSR倉庫
バレンタイン【滞】
【放課後】
「valentine?あぁ、chocolateを貰う日か」
政宗は部活の用意を片手に、ロッカーに詰められたチョコに若干溜め息をついた。
ぶっちゃけ、自分で作った方が絶対に上手く出来る。
絶対に。
「……いけねぇ、まだ学校だっつーのにcookingしたくなったぜ」
右手が疼く。
そして筆頭は、何やら思いついたのか…
家庭科室を目指した。
***
「しかし、男二人で保健室とはな……」
「ある特定の読者さんにはktkr状態だねぇ」
「……」
家康は完全に慶次の言葉をスルーして、ちらっと窓の外を眺め…「ktkr!」
「え、何何ちょ家康さん?」
「慶次、いつも通り存在を空気と同化させておるのだぞ」
「俺はこんな黒い家康見たく無かった!」
「すいません、保健の先生は居ますかーーって、家康!と慶次いたの?」
ブルマ体操服の咲耶が現れた!
「やぁサク!オマケ扱いとか酷いんじゃない!」
慶次、訳もなく鼻血を垂らす。思春期設定だもの。健全な日の本男子だもの。
「どうした咲耶?怪我でもしたのか」
家康が心配したように、椅子から立ち上がり咲耶の前で屈み込んだ。
「え、あ…まぁそれもあるんだけど。天海先生がね、今日は保健室に来てほしいって言うから」
「……そうか!難儀だな!」
何やら、黒いオーラを発しながら家康は輝かんばかりの笑顔を見せた。
なぜだか悪寒がした慶次。
「どれ、儂が見てやろう」
「あ、それは…」
「どうした?」
何やら言い淀んだ咲耶に、何故だか楽しげな声で家康は尋ねた。
「背中、打ったんだよ」
「……背中?」
【作戦A保健室でドキッ】
「え、なんだい今のナレーション!」
慶次のツッコミを無視して、家康は人の良さそうな笑みを浮かべたまま
「じゃあ、背中を見せてくれるか?」
と咲耶に脱ぐように促す。
「い、いいよ…天海先生帰ってくるまで待つし、」
「…あやつには見せるのか?」
「だって、保健の先生だよ?」
「役職の前に、奴は男だぞ?」
家康が粘り続けるが、咲耶は拒み続けている。何やら家康が心配している事を感じ取ったらしい咲耶が溜め息混じりに、
「私みたいなの襲って、誰の得になるの…」
家康の笑顔が、歪んだ。
乱暴に咲耶の腕を掴み、空いているベットに投げるようにして、その上にのしかかった。
「な、何するの家康…!」
「儂は嫌だ」
「はぁ!?」
「あんな奴に、お前の肌を見せるなど…許せる訳ない」
暗い目をしたまま、家康は咲耶の服に手をかけた。
「手当てなら儂がすr」
べしっ!
咲耶の上に乗っていた家康の顔を慶次が鷲掴みして、ベットから引き剥がした。
「はいはいごめんよ!いけないねぇ、嫌がる女に無理強いするなんてさ!」
ちゃっかり、腕の中に咲耶を抱きかかえて慶次はニカッと笑った。
「なあ、サク!今日バレンタインだけどさ、あんたにベタ惚れしてる俺にくれる分はないかな?」
【作戦B直球勝負!】
「あ…その、チョコだよね?」
思い出したように呟く咲耶に、コレは貰えるっぽいぞと喜ぶ慶次だったが……
「さて、私の保健室で一体何をなさっているんですか…?」
保健室の入り口で天海がニタリと笑っていた……
【家康・慶次 保健室教諭により人には言えないお仕置きにつき戦闘不能】
***
一方その頃。
「ちっ!三成の野郎…いきなり走り出しやがってよォ!咲耶の貞操がなんちゃらって……」
元親はヘトヘトになりながら追いかけていたが…
ふと、咲耶のクラスの前で足を止めた。
「あ゛ァ?待てよ、さっきまで体育で、あいつの席はまだ鞄が残ってやがる…」
そして、元親はニヤリと笑った。
そうだ、奪っちまえばいいじゃねェかよ!
渡してもらえねェのは、まぁ……悲しい気もすっけど。他の野郎に食われる位なら、オレの腹に収めてやんのがチョコにも幸せって話だな!
【作戦C海賊の流儀ってもんを教えてやるぜ!】
「そうと決まりゃ……うぁっ!」
ヒュン、と音をたてて。
野球のボールが顔面に飛んで来たので、慌てて回避した元親に金属バットを引きずる音が近づいていた……
続く…!
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