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ある夜の秘恋の噺


1000年以上前っていうと、あれか着物ずるずる引きずって生活してた頃だよな多分?


そんな俺の歴史の評価は五段階で4なんだから、世の中って分からない。

***


竜友が、俺の肩に触れて「痛むか」と囁いて綺麗な顔を歪ませて、俯いた。

俺はそんな顔を見るのは、嫌だ。


「…大丈夫、だから」


「そうか?どちらにしても後で消毒するからな」


訂正、やっぱり過保護でヘタレだ。




「……カグヤを、殺したくせに!」


辰壬さんの吠えるような声に、俺たちは弾かれたように顔を上げた。


***

「…言うじゃない、でもみんな同罪だよ?」


挑戦的に、笑んだ千晶さんは何かの札を出して、


「止めろ、郭哉が怯えている」

竜友がそう言うと、


「ごめんね!?そんなつもりは…」
「カグヤ、怖い?ごめ、ん…!」



「…いや、その…」


ちら、と竜友を見ると口パクで「ごめん^ω^/」ってどうやって表現するんだよスゴいな。


とにかく、話を元に戻す事になった。


***

「…つまりですね、あなた…郭哉様はカグヤ姫の生まれ変わりでして…僕らは、あの話でカグヤ姫に無理難題を与えられて諦める事になる求婚者達の生まれ変わりなんです」


千晶さんは嫌々そうに説明を続けながら、結局俺にくっ付き直した辰壬さんをジト目で見ていた。
辰壬さんは、なんだか幸せそうに頭を俺の頭の上に乗せている。この人って、かなりデカいな。


「…僕たち『求婚者』の生まれ変わりは、『社家』の人間だったり外部から集められたりしているんだ。
ちなみに、そこで当たり前みたいに座ってる竜友も『社家』の人間だよ?」


竜友を盗み見ると、涼しい顔をして洗濯物をたたんでいた。




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