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inviso firmamento(嫌われた大空)
3
 しばらくして相手が落ち着いた為、赤司達は彼に自己紹介をしてもらう事にした。
名前は既に、学生証を見た黒子から聞いていたのだが。

「並盛中学校2年の、沢田綱吉、です……」

それを聞き、緑間は驚いた。
黒子より身長が低い為、てっきりツナが1年生だと思っていたのだ。

「じゃあ俺達も自己紹介するか。 黒子から逆時計回りで」

赤司のそんな提案で、彼等も名乗る事になった。
互いの事を知らなければ信頼するなど無理なのだから、当たり前といえば当たり前だろう。



――いつの間に黒子は逆の位置に来たのだろう。



緑間はそんな疑問を持ったが、空気を読んで聞かずにおいた。

「……帝光中2年の、黒子テツヤです」
「同じく、紫原敦」
「黄瀬涼太っス」

少し考え事をしている間に自分まで回って来てしまった彼は、すぐに口を開く。

「緑間真太郎なのだよ」
「……青峰大輝だ」
「で、俺が赤司征十郎」
「帝光、中……あの、まさか皆さんって、『キセキの世代』とか、呼ばれてませんか?」

ツナがいきなりそんな事を言えば、赤司以外のキセキの世代メンバーは皆して驚いてしまった。

そんなに自分達は有名なのか……と。

加えてツナの話し方からして、あんな事をされるような謂れを持つような人物でない事はすぐに分かっていた。



――彼を助けたい。
その為の力が欲しい。



彼等は素直にそう願った。

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