Subsequent Descent
3
慶喜がそう言ってリングを手渡すと、受けとった鼎は右手中指に着けた。
するとその目つきが突然変わる。
「か、鼎?」
「どうしたんだよヨシ、冷や汗なんか垂らして」
話し方はいつも通りだが、顔付きが違った。
いつもなら柔らかい笑顔なのだが今は何処か鋭いと言ったところだろう。
そんな時、寿也の後ろから獄寺の声がした。
『おい山本、出て来い。 影響が出てるぞ』
「え?」
慶喜と寿也が同時に声をあげると、鼎のリングから雨の炎が溢れ出した。
しばらくしてそれは彼の背後に集まって人の形になる。
『おいおい、それって俺がホントは怖い奴って事か?』
『戦ってる時はね』
綱吉が何の迷いもなくそう言い放つと、その人物は『酷いのな』と言って眉尻を下げた。
――慶喜はこの人を知っていた。
10代目の雨の守護者・山本武だと。
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