大空を守護する者達
T 抜けてる敵(やつら)
その屋敷は海沿いの崖の上に建っていた。
その居間に、緑の髪を後頭部の下の方で1つにまとめた青年が現れる。
「おはようございます、皆さん」
「っ! おはようございますわ、ボス」
「レーア、わざわざ返さなくて良いって言われてんじゃん」
どうやら緑の彼はボスらしい。
彼に挨拶を返したレーアは、瓜二つの少年に言われてシュンとした。
「良いんすよレーア、ウェルアの言う事なんて無視で」
「そ、そんな……」
「明人! てめぇ、何変な事教え込んでやがる!」
「明人、ウェルア、落ち着きなさい」
ボスである青年がそう言えば、2人は彼とレーアに謝罪して静かになる。
直後、今まで黙っていた金髪の男が口を開いた。
「なぁウェル、今日は何処のファミリーを狙うんだ?」
「――ジョン? あだ名の『ウェル』ではなくちゃんと『ウェルキン』か『ボス』と呼べと、何度言ったらお前は!」
突然怒り相手の方に向かう彼を、レーアとウェルアが腕を押さえて止める。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!