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保健室のシズマ先生【7ページ完結】


「『3年3組、春日ユウ。』今日…、は仮病じゃなさそうだな。」




ある日、あたしは熱を出した。





「熱、計っとけ。」

サッと体温計を手渡され、先生の座ってる隣のイスに腰掛けてモタモタと制服の中に突っ込む。



目の前には、あたしの好きな人。
先生には見えない保健室の先生、真田シズマ。



相変わらず、こっちのことなんておかまいなしに机に向かって何かを書いている。



どう見ても『先生』になんて見えないのに、いつもちゃんと仕事してる。

先生も大変なんだなぁ。




熱で潤んだ目でしばらく先生を眺めているとすぐに、あたしの体温を測り終えたって合図の電子音が鳴り響いた。




電子音が発せられたと同時に机に向かっていた先生がこっちを向く。
投げられた視線に思わずドキッとしてしまうけど、慌てて服の中から体温計を取り出した。



「何度だ?」

「んと……39.4?」

「帰れ。」


先生が大げさにため息ついて呆れ気味に言い放つ。

けど、今日のあたしにまともな思考能力なんてなくて。



「ヤダ。」

いつも以上に強気に言い返した。




だって、帰りたくない。
せっかく先生に会いに学校に来てるのに。




「保健室で寝る。」

「アホか。家の方がゆっくり寝れんだろ?」



そういう意味じゃないのに。
気付いてよ。





「保健室より家で寝ろ。」

「家じゃダメなの。」




ほっぺが熱くて、頭がボーっとする。




「ワガママ言ってねぇで病人はおとなしく帰れ。」

「ヤダってば。」




熱のせいかな。
なんだか頭がフワフワしてて、じっくり考えることが出来ないのは。





「…お前、いい加減に…、」

「じゃあ…して?」

「は?」





熱のせいかな。









「先生がキスしてくれたら帰る。」


こんなこと口走ってるのは。




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あきゅろす。
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