保健室のシズマ先生【7ページ完結】 5 一瞬、時間が止まったように静まり返った。 シーンとした保健室。 妙な空気があたしと先生の間に流れる。 ヤバ…。 変なこと言って先生に呆れられた…。 熱で感情が高ぶってるせいか、溢れんばかりの水分が目に集まってくるのがわかる。 …泣きそう。 イヤだ。 こんな顔、先生に見せたくない。 隠さなきゃ。 早くふとん被って隠さなきゃ。 そう思ったあたしはクルっと先生に背中を向けて、 「…寝る。」 目に光る物に気付かれないように早口で呟き、ベッドに向かって足を踏み出した。 最悪だ。 先生に好きになってほしいのに。 先生に嫌われちゃ意味がないのに。 言わなきゃよかった。 余計なこと言わきゃよかった。 あたしのバカ…! ―…瞬間。 ふいにグイっと後ろから腕を掴まれた。 「…!?」 体制を崩しそうになったあたしは必死で踏ん張ろうとしたけど、腕を引っ張られてるからうまく体制を立て直すことが出来ない。 結局どうすることも出来ず引っ張られるままに身を預けると、 「約束守れよ?」 先生があたしの目の前で囁いた。 [*前へ][次へ#] |