Novel スタートが始まる前に(3) 手当ての為に、一時拝借しているつもり・・・だっただけの筈のベッドの上に、三井はやわらかに、そしてこれ以上傷つけることのない様に、木暮のことを押し倒した。 次の瞬間、三井は木暮の唇に唇を重ねた。 「んっ・・・」 三井の長い髪の毛が、木暮の顔にかかる。 予想以上に、甘い声が漏れた。 まだ、とても愛おしそうな未練を残して、三井は唇を離した。 そして、かつてバスケットをしていた時と同じくらい真剣な眼差しで、三井が告げた。 「・・・お前が、好きだ」 そして、ほんの、少しの間。 「・・・嘘」 木暮は呟いた。 「嘘なもんか・・・俺は、お前がのことが好きだった・・・1年の時から、ずっとだ・・・嘘なんかじゃねぇよ」 木暮以上に、消え入りそうな声で三井が呟いた。 「・・・・・っ」 三井は、木暮の頬を両手でしっかりと挟み込み、もう一度深く口付けた。 もっと、ちゃんと、伝わるように・・・。 「三井、本当に・・・なぁ」 今度は、木暮がその瞳に涙を溜めていた。 三井は、そんな木暮を自分の元へとしっかりと抱き寄せ、力を込めた。 →Next [前へ][次へ] [戻る] |