Novel
なぁ、ハニー。君は今、幸せかい?(2)
「・・・・プッ、」
そんな様子に、木暮が笑い声を上げた。
「・・・なーにがおかしーんだ、てめー」
「・・・ゴメン三井、ハハハッ」
ゴメンなんて謝りつつも、顔中で笑い、木暮が言う。
「・・・嬉しいんだ」
多分この瞬間だ。
俺が心を奪われたのは。
やっと笑いが治まった頃、木暮はボールを手に再び立ち上がった。
「・・・なんだぁ、まだやるのかよ?」
そう問い掛けた俺に、振り返って答えた木暮はやっぱり笑っていたのだろうか。
「三井、おれ今、空飛べそうな位、幸せなんだ」
俺の所為で、お前が笑ってくれるなら・・・それこそこの上ない幸せって言うんだろう。
俺は、解きかけたバッシュの紐をもう一度結び直し、光を追いかけた。
*End*
2006.5.12.
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