空を見上げて 標的10 その3 『リビングを貸してもらえるかなって思ってたんだけど…』 「確かビアンキ達が使っている部屋はもう1人入れるスペースが無かったしな…」 ツナの言葉にさらに嫌な予感が走る。 もうすぐ家光さんが帰って来るだろうし奈々さんの部屋は無理だ。 ということはやはりリビングしか残ってない。 再び同じことを言おうとすると先に家庭教師の声が聞こえた。 「こんなのを買っておいたぞ」 その小さな手は淡いオレンジ色の布を持っている。 ちょうど治療が終わったのでツナと2人で広げてみると見たことがあるものになった。 「ハンモック…」 『だね』 「それを使ったら柚もこの部屋で寝れるだろ」 最初からその気ですか… 『けど着替えが…』 流石に男子の前で着替えれない。 「それなんだけど、俺の部屋ウォークinクローゼットがあるんだよね…」 凄く言いずらそうに告げるツナにそうだったと肩を落とす。 服をいれさせて貰うときにウォークinクローゼットが有ることにビックリした。 …モレッティの時はどうしたのだろうなど決して考えてない。 話を戻すと、その中で着替えたらいいと言うわけだ。 『改めて宜しくお願いします…』 人間諦めが肝心だ。 ということで、渋々白旗を降る私だった。 〜標的10 END〜 [*前へ][次へ#] [戻る] |