体温
その場に座り込み、体を震わせる悠くん。
もしかして…
「雷怖いの?」
「そ、そんなことないです!ただ過敏に反応しちゃうだけです…」
…つまり、怖いのね。
「音楽でも流す?」
少しは気が紛れるかもしれない。
すると、悠くんは私の腕を掴んできた。
「あの…隣にいてください…」
「…はい?」
目を丸くして、思わず聞き返してしまった。
「な、鳴り止むまでお願いします」
真っ青な顔で必死に頼んでくる。
「えっと…それはただ隣に座ってればいいの?」
「はい」
私は黙って悠くんの隣に座った。
掴まれた腕に感じる、微かな振動と温かい体温。
どうしよう…
腕、掴まれたままだ。
「ねぇ…」
「はい?」
「…早く鳴り止むといいね」
「はい…」
はぁー、ダメだ。
腕、掴んだままです。とか腕、離してもらっていい?なんて言えない…
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