何なんだ? 「面倒だが俺が注文してくる」 「すまない楓。カツ丼特盛とそばの特盛を頼む」 「オレはハンバーグで」 「じゃあ俺は和食が良いかなー」 本当に悠はよく食うな… 「分かった。席を頼んだぞ」 「気をつけてね」 何に? ここの食堂は注文制で、タッチパネルで注文するとウェイターが持ってくる仕組みになっている。 便利と言えば便利だな。 「わひゃっ!」 「っと、悪い。大丈夫か?」 「あっ…ハイ…大丈夫です…」 ボーッとしている俺に一人の1年生がぶつかり、倒れそうなところを咄嗟に腰をつかんで支えると、その子は目を大きくさせて固まった。 ジッと俺を見て顔を赤くする。 「?おい大丈夫か?顔が赤いが…」 「あ、あああの、すみません…えっと、腰……」 「ん?ああ。掴んだままだったな、すまん」 「いいいいえ!あ、ありがとうございました!」 何でそんな慌てて逃げるんだ… そうなに具合が悪かったのだろうか? 顔を真っ赤にしながら走って行ってしまった。 まぁいいや、注文しよう。 「今の見たか?」 楓が注文をしている間に悠は2人に尋ねる。 「見た見た」 「顔真っ赤にして逃げていったなー」 それに同意するように頷く2人。 楓と1年とのやり取りを見ていたらしい。 「顔は隠れているが至近距離だとよく見えるからな」 「あの不意打ちって結構クルよねー」 「見てみたいなーまぁ同室だしいつでも見れるけどなー」 「ハッ」 和緋がそう言うと悠は鼻で笑った。 「何だよ?」 「言っておくが、あいつ…強いぞ」 「……強い?」 「悠は助けられたもんね」 「ぁあ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |