[携帯モード] [URL送信]
余計な事を言うな。


「お待たせ致しました」




俺が注文して10分ほどして料理が運ばれてきた。



「うめー!」

「相変わらず美味いな」

「悠。味わって食べなよ」


美味しそうに食べる3人を、周りは微笑ましい…という感じで見ている。
もちろん俺の事は見ていないがな。

俺もパキリ、と割り箸を割って熱々のラーメンを食べ始める。

うん。美味しい。



「………」



ふと視線を感じて、顔を上げると和緋がこっちを見ていた。



「和緋?どうした?」

「…左利き?」



…しまった。

右で食えば良かった…こいつの知っている俺は左右で飯を食う。
元々左利きだったが、両方使えた方が便利と思った俺は右も使えるようにした。

つまり両利き。


「あ、ああ。左だ」

「え?楓って両き「…………」ッッむごっ!」


余計な事を言いそうになった連夜の口に無言でラーメンの卵を押し込んだ。

周りから悲鳴が上がったが無視。



「楓…お前、何やってんだ…?」

「気にするな。連夜に卵をあげたかったんだよ」

「もぐわがんばいべぼまびあほううぇ(よく分かんないけどありがとう)」

「ぁあ」

「…楓って不思議ちゃんだなー」



言葉は爽やかなのにめちゃくちゃ怪訝そうな顔してこっち見てる…
やばい、さすがに怪しすぎたか。
ちっ…同室者とは厄介だな。

意地でも隠し通してやる。




[*前へ][次へ#]

12/20ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!