荒れる。 日比野の親衛隊が一ノ瀬と一緒に日比野を襲ってきた。 会話までは聞こえなかったが、多分神流に寝返ったんだろうな。 縁に三橋。 日比野に一ノ瀬。 碧と茜には二ノ宮。 鳳に影宮。 ……おかしくないか? こいつ等は神流の手下だろ? 神流は日比野の親衛隊じゃないのか? 縁だけになら分かるが、なんで生徒会の連中に攻撃してんだよ…? 「二ノ宮…」 「…悠?」 「二ノ宮とゆう男はどこへ行ったのだ」 「言われてみれば…」 二ノ宮は碧と茜に攻撃を仕掛け、勝った。 …じゃあ二ノ宮はどこへ行ったんだ? モニターには映っていない。 「棄権したみたいだぜ」 「棄権?」 「ほら、あそこ」 和緋と連夜の視線を辿ると人混みの奥に、真っ直ぐこちらを見ている男がいた。 「二ノ宮……」 「…なぜ奴が棄権をするのだ」 「よくわかんねぇけど…あいつ等何か企んでるな」 「少なくとも、楽しそうなモノじゃないだろうね…」 二ノ宮は俺と視線が合うと、寒気立つようなニヒルな笑みを浮かべて、人混みに消えていった。 ガヤガヤと騒がしい周りの音が消えた気がした。 (……嫌な感じが、する…) あんなに晴れていたはずの空に、薄暗い雲が迫ってきているのは、これから起こる事の警告なのだろうか。 荒れるかもしれない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |