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side:沙都里




さっきのは何だったんだ…?









雅さんを引きずり保健室へ向かった北条楓を追ったのは良いが…
途中で理事長が保健室へ入り、雅さんはグラウンドへ戻って行った。

保健室には北条楓と理事長しか居ない。


(一体何を…)




覗かなければ良かった、と後悔するのはすぐ後だ。


















「橘さん?どうなされました?」


「…………何が」


「いえ、先程から険しい顔をなされておりましたので…」


「…気にしなくて良いですよ」



3年生たちが鈴を取り合っているのを、俺はどんな顔をして見ていたのだろう…

険しい顔…


なんだ?

モヤモヤしたものが喉の奥で渦巻いている。
何なんだコレは?






何故だ?


何で北条楓は理事長とキスをしていた?
別れる時も理事長は北条楓の額にキスを送っていた。


まるで恋人同士のように…






「…――ふん!!」



            ガン!



「橘さん!?ど、どうされたのですか!?」


「…いや、なんでもない」


「いきなり壁に頭を打ち付けて何でもない訳ないでしょう!?」



頭がズキズキするが、おかげでスッキリした。

きっと理事長は外国育ちで、北条楓とはちょっとした知り合いなだけなんだろう。



(決して恋人関係ではないハズだ)




「きっとそうだな」


「…あの、本当にどうされたんですか…?」


「何て事はない」


「…………」



今は学校行事に集中しよう。

午前の部もあと委員会リレーと仮装障害物競争の2つだ。







……そういえば北条楓は仮装障害物レースに出場するんだったか?

仮装か…
何の仮装だろう?










ナースとか…











「イカンイカンイカン!!」




ガン、ガン、ガン!!!



「ちょっとォォオオ!!??橘さんンンン!?」


「だ、大丈夫!!」


「血が出てますよ!?」



な、何を考えたんだ俺は!!
北条楓にナース服!?

いくらあいつが綺麗な黒髪で色白だからって…!!










"ちょっと…沙都里ちゃん……あんま見るなよ…恥ずかしいだろ……"








(そ、想像してしまった……!!)




「橘さん…大丈夫ですか?」


「ん?」


「顔が尋常ではないほど真っ赤です…熱でもあるのでは…?」




確かに顔が熱い…自分でも分かるほどに。


何なんだ…
なぜこんなにも心が乱れてしまうんだ…








「……頭を冷やしてくる」


「あ、はい…お気を付けて…」






(何かの病気にかかってしまったんだろうか…)






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