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side:藍原




「えっ康人くんが…!」


「…柚!油断すんな!!」



ドカッ!!



「ぐぁ…!」


「あ、ありがとう藍原くん…」



…ヤスと岬の奴、なにやってるんだ…?
おれ達と戦う前に自爆してどーするよ…

まぁいい…とりあえず今は目の前の敵を倒すだけだ。




『あと2分だよー!!』



「はぁ…はぁ…!」


「疲れたか、柚…」


「だ、大丈夫…このくらいでヘバってたら楓先輩カッコつかない…」


「そうか…」


(中身まで強くなってんなぁ…)




最初、柚がヤスと同室になるまで俺は柚の存在を知らなかった。

高等部にあがって柚は別の男と同室だったが、その男に襲われそうになってから部屋変えをしてもらったらしい。

ヤスを通じて俺と岬は柚と出会った。


第一印象は弱い…草食動物みたいだと、俺は思った。

けどある日突然




『お願い!ボクに…ボクに修行をつけて、皆!!』


『『はぁ!?』』


『………』



あまりに予想外の言葉で、俺と岬は驚いたが何故かヤスはニヤニヤと気持ち悪く笑っていた。





"楓先輩"



柚はそいつに認めてもらう為に強くなりたいと言った。





「お前は本当に北条楓が好きなんだな…」


「ちっ…違うよ!!か、楓先輩はボクの憧れで…!!」


「はいはい。そうだったな…」



そんな真っ赤な顔して何が憧れだか…
分かりやすい奴だ。





北条楓はヤスだけじゃなく俺達の総長、カズさんとも面識があるらしい。
正直、不思議な奴だと思った。

噂では克海連夜、吉原悠、雅颯斗に加えて生徒会の連中をたぶらかしていると聞く。



(まぁ…所詮ウワサか……)





















『柚を頼むぞ。1年坊』











さっき、遠目にだが視線を交えた時に黒髪の奥にある黒い瞳から俺は目が離せなかった。



気づいたら頷いていた。







「藍原くん?どうしたの?なんか楽しそうだね」


「……………まぁな…」









北条楓か…

ちょっとばかり…興味が湧いてきたかもな…






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