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side:康人




「ぶぇっくしぇーい!!あ゛ーチクショウ…」



誰か俺の噂でもしてんのか?



「ちょいヤス!!おれン頭に鼻水飛ばすなやボケナス!!」


「うるせぇよ!エセ関西人が!」


「ぁ゛あ゛!?調子ノんじゃねぇよこの『猛進の南国果実』が!!」

「テメェそれ言うんじゃねぇよ!!俺はそんなの認めてねぇんだよ!!」



ホント冗談じゃねぇ!!

最初は、いつの間にか通り名がついている事に正直、嬉しかった。
これでコウさんにもまた一歩近付けた気がしたからだ。

だが実際にその通り名を聞いた時は言い出した奴を殺そうかと思った。



「エエやんか!そのオレンジ頭見てパイナポー思わん奴はおらへんって!!ぶぶっ…!」


「…〜〜っ!!笑うんじゃねぇぇええ!!!」



おかげで俺は兄貴にもコイツにも笑われている。

ちなみにこのエセ関西人と柚の騎馬をしている藍原全は俺等のチーム『FALLEN LEAVES』の幹部だ。



「それにしても柚ちゃんめっさ強ぅなったなぁ〜全のおかげやな」

「…まぁな」


「ほなヤス…リーダーが見とるんや、エエとこ見せンとシバかれるで?」


「わかってらぁ!!行くぞ椎名!!!」


「おうよ!!」



ハチマキをキツく締め直し、雄叫びを上げながら向かってくる敵騎馬を殴り倒す。

倒れたそれから椎名がハチマキをブン取る。



「峰岸ィイイィィイイ!!!!」


「覚悟ォォオオ!!」




バキィッ!!!


ゴスッ!!



「がはっ…!!」


「はーいハチマキ貰ろうたでーさっさと墓場逝ってぇな〜」


「クソっ…!!」


「おーし!!次だぁ!!さっさと来いコラァ!!」



すでに俺の首にはたくさんのハチマキが巻かれている。

チラリと柚の方を見ると、アイツも中々持っていた。
とゆうかアイツめちゃくちゃ楽しんでねぇか?



『随分と減ってきたねー!!残り時間はあと5分だよー!!』



「あと5分やてヤス!そろそろ柚ちゃんのハチマキでも貰いに行こか?」


「ぁあ!雑魚は放って行くぞ!!」



柚はABクラスだが俺等はCDクラスだ。
たとえ同室のよしみだとしてもクラスが違う…手加減はしねぇぜ柚?



「柚ちゃんは任せたで?おれは全と…うわっ!?」


「!?おい椎…!!!」



突然、椎名の驚いた声が聞こえたと思ったが、次には視界が逆さまになり…



        ―――ドサッ!!






「ぐっ…!」




固い地面が俺の顔に直撃した。





『ぉおっとーーー!!?期待の1年峰岸康人率いる騎馬が…自爆したァアア!!!』


『騎馬の人が何かに足を取られた様に見えましたね』




自爆だと…?

信じられないが…俺が手をついているのは地面で、俺だけじゃなく、椎名も他の2人も倒れていた。


その近くには俺が今さっきブン殴った男が気絶したまま転がっていた。








「う、嘘だろぉぉおおぉお!!??」









俺の虚しい叫び声は激しくぶつかり合う選手達によって掻き消された。






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あきゅろす。
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